第二十八章 関白の威光
「蒲生殿。これは一体どういう事にござろうかのう」
「いや、これは・・・」
「我が真田家を裏切って天下を狙うおつもりではあるまいの」
「いえ、けしてそのようなことは・・・」
「その気になればそなたの城など一捻りじゃ。儂が十数年前に徳川家康の大軍を僅か数千の兵で蹴散らしたことはご存じないのですかな」
「もちろん存じておりまする」
「では悪いことは言わぬ。儂の軍門に下る事じゃ。その気になれば、一族郎党、根絶やしにすることもできまするぞ」
「もちろん謀反の企てなど致しておりませぬ。また真田殿の軍門に下らせていただきまする」
「それでよいのじゃ。物わかりのよいのはいいことじゃのう」
秀行は再び真田の軍門に下ることとなった。秀行を盟主としていた反真田同盟は呆気なく崩壊。他の大名も再び真田家に従属することとなった。
「何とか片付きましたな」
「これも関白という位の威光かのう」