第二十七章 西洋の脅威
数週間後・・・
「謀反人が割れましてござりまする」
「申せ」
「謀反人は蒲生秀行を盟主に、津軽為信、最上義光、結城晴朝。反真田同盟なる血判状まであるとの報告にござりまする」
「なんと!して鉄砲は」
「はっ!大量の鉄砲なれば、この謀反を沈めるのは容易には行きませぬ。おそらく二万丁は流れたものかと思われまする」
「こちらは領内すべての鉄砲を掻き集めても三千丁足らずですな」
「参ったの」昌幸は額を二度叩いた。
「如何なされます。一つ一つ潰すのはたやすいことではござるが、こちらの被害も甚大になりましょう。豊臣家と事を構える前に、この手の戦を仕掛けるのは、ちと厄介ですな」
「しかしなぜイスパニアが」
「おそらく貿易の利権を獲得したいが為でしょう。目下の所日本との貿易はポルトガルが独占しておりますれば、鉄砲を無償で提供して謀反者に天下を取らせた見返りに、ポルトガルを追い出し、貿易を独占するという魂胆でしょう。我が国との貿易は莫大な利益が得られますからな」
「なるほどのう。しかし許せぬの。これは多大なる裏切り行為じゃ」
「そうではござりまするが、やはり戦となれば、甚大な被害が出るのは必定。イスパニアの新式銃が相手とあらば、それ相応に手こずりましょう」
「では介入策に出るか」
「幸いなことに反真田同盟の大名は飛び地状態。一人一人説得すれば、また従属に応じましょう」
「盟主は」
「蒲生秀行にござりまする」
「では儂自らが説得すると致すか」