第二十六章 謀反
1601年 春
「上様!上様!一大事にござりまする!」
「朝っぱらから何事ぞ」
「蒲生秀行に謀反の疑いこれ有り!」
「何?謀反じゃと?」
「ハハッ!」
「申してみよ!」
「はっ!伊賀者の猿飛佐助と申す者に従属大名の内情を探らせておりましたところ、なにやら不穏な動きがあったと」
「それで」
「イスパニアの船が津軽沿岸に到達し、大量の積み荷を降ろしていたとのことにござりまする。佐助めが調べましたるところ、積み荷は大量の銃であったとの報告にござりまする」
「なんと!」
「おそらく津軽為信も謀反に荷担した一人かと」
「即刻各大名に探りを入れよ」
「承知!」
「蒲生秀之と言えば我が軍門に下った大名ではないか・・・」侍従がいなくなった後、昌幸は怪訝な表情で独りごちた。