第十八章 関東平定
「ここが徳川の本拠地、江戸城か」
「裏側を突くことは出来ませぬな」
「正面から行くしかあるまい」
城をぐるりと回り、門に到達した。
「鉄砲と弓の雨あられで門に近づけませぬ!」
「我が部隊、壊滅!」
「いったん引くぞ!」
「ははっ!」
「うぬぬ、たった四百の鉄砲隊に煩わされるとは」
「どうやら率いているのは井伊直政のようにござりまする」
「それ、もう一度攻めるぞ!」
「オオ!」
幸村「山口重政討ち取ったりー!」
「おおーー!」
「駄目じゃ、また井伊の鉄砲隊が邪魔をしおる」
「もう一度引けーい!」
押したり引いたりを繰り返している内に、味方の兵も敵の兵も減っていく。
「直政と秀忠の部隊が城の奥に引きましてござりまする!」
雲行きが怪しくなり、雨が降り始めた。
「おお、恵みの雨じゃ!よし!今なら鉄砲隊は使えぬ。門をぶち壊せ!」
「城門、壊しましてござりまする!」
「城の中に突入じゃ!」
「それ!井伊隊を押し潰せ!」
幸村率いる騎馬隊が一斉に井伊隊に襲いかかった。多勢に無勢、火縄が濡れて鉄砲を使えない井伊隊は壊滅した。
「徳川秀忠隊、壊滅!」
「勝ち鬨じゃーーー!」
「エイ、エイ、オーーー!」
「秀忠は城より遁走!」
「徳川の城は後三つ。このまま責めまするか」
「此度の戦で相手方は兵を出し切っておる。おそらく城には一兵も残っておりますまい」
別働隊の浅野幸長が本佐倉城に雪崩れ込んだが、城には出兵できる兵もなく、呆気なく開城した。玉置城にも兵を送ったが同様に開城。残る城は小田原城のみとなった。