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信長の野望 天下創世 & 革新攻略サイト

第二章 東西分裂

昌幸「うーむ。見たことのない家紋ばかりじゃ。我が家臣鈴木重則を騙して自害に追いやった北条家はどこへ行ったのじゃ」

頼康「殿、お忘れになられましたか。既に北条は亡き太閤殿下がご成敗あそばしましてござりまする。殿も小田原征伐に加わったではございませぬか」

昌幸「おおそうであったそうであった」昌幸は掌で額を叩いた。「すっかり忘れておったわ。最近物忘れがひどくてのう。はて、そういえば我が長子信之の姿が見えぬが…」

幸村「兄信之は徳川方についてござりまする」

昌幸「なんじゃと?」

頼康「信之殿の奥方は徳川家重臣本多平八郎忠勝殿の娘にござりますれば、此度は徳川方につきましてござりまする」

昌幸「そうであったな。そちの父君も先年亡くなったのじゃったのう」

頼康「ははっ!」

昌幸「我が真田家は家臣が三人か。これではちと心許(もと)ないのう」

昌幸は大きな溜息をついて地図に視線を落とした。

昌幸「北の越後には堀秀治殿の春日山城・飯山城・坂戸城の三つの城、南信濃には浅野長政殿の城が三つか。どれどれ、外交モードで我が真田家との関係が良好であるか確かめてみるか」

昌幸「なんと、二人とも徳川方についておるではないか!しかも反豊臣同盟にまで加盟しておる!堀秀治殿と言えば、元は織田家の家臣で、亡き太閤殿下が毛利征伐の折に軍目付の役を仰せつかった堀秀政殿のご子息ではなかったのか? それに浅野長政殿は、太閤殿下の奥方、北の政所様の義弟ではないか!」

幸村「恐れながら浅野長政殿につきましては、太閤殿下身罷(まか)りし頃より、急速に徳川家康に接近しているとの知らせが忍びより入ってきておりまする。豊臣恩顧の大名多しと言えども、目下のところ、かの石田三成殿が武闘派の福島政則殿、加藤清正殿、黒田長政殿、加藤嘉明殿、細川忠興殿らと、朝鮮の役での遺恨が元で火花を散らしてござりまする。前田利家殿ご存命のみぎりは、かの御仁が仲を取りなして辛うじてお家騒動には至りませなんだが……。此度の騒動は豊臣と徳川の戦ではなく、石田三成殿と徳川家康との戦と、徳川方につく諸将は皆口々に申しておりまする」