第八章 小田原城包囲
季節は冬から春になった。投降兵の傷も癒え、駿府城に常駐している真田軍団の兵も25000に膨れあがった。
「これだけの軍勢を4つに別けて小田原城を囲めば、いかに堅城といえども容易く落ちよう。幸村、戦じゃ」
駿府城を出立した真田昌幸・幸村親子と、徳川家康、本多忠勝、酒井忠次隊は四方より小田原を包囲。そこへ里見義頼率いる援軍13000が到着、真田軍に襲いかかったが、逆に返り討ちにあった。小田原城の兵の士気は急撃に低下し、開城となった。
「ほぼ無傷で城が手に入りましたな」
「しかしこちらの兵は8割方傷ついてしまったわ」
「次はどこを攻めましょう」
「このまま北条を降すのも良いな。岩附城には兵がたった7000じゃ。城は堅いが徳川衆の力を借りれば力攻めで何とか落とせよう」
「では出陣の合図を」
「あいわかった」
岩附城も落城したことで、北条勢に抵抗する力はなく、北条氏政は勧告に応じ、上野の国が無傷で手に入った。上野、武蔵、相模、駿府を手に入れたことで、旧主筋武田勝頼の領地を取り囲む形となった。