第五章 美濃攻略
昌幸率いる総勢一六〇〇〇の軍勢が木曽路を南下、岩村城を取り囲み攻めに攻めた。籠城兵も抵抗するものの城は落城。
「籠絡の戦法があると敵の兵を我が兵に出来るから楽じゃのう」
「まことに」
「目と鼻の先に岐阜城があるぞ。守備隊も寡兵のようじゃ、一気に攻めるか」
岩村城より出陣した昌幸は、三方より援軍に駆けつけた織田軍を蹴散らしつつ岐阜城を攻略。
「さて、尾張清洲城も手薄じゃ。このまま攻めるか」
伝令「殿!箕輪城より出立した北条の部隊が上田城に向かっておりまする!」
「ちっ、邪魔をしおってからに」
「如何なさいましょう」
「幸村とそちを残して一旦上田城に戻るぞ。山村良侯に岐阜城の修復を命じよ。幸村には岐阜城周辺の織田の残党を掃討せよと命じよ」
「かしこまってござる!」
上田城に戻った昌幸が北条の部隊を蹴散らしている間に、幸村隊一二〇〇〇の軍勢は敵を追う内に尾張にまで深入りしていた。
「このまま清洲城を攻め取ってしまうか」
「援軍の兵も出せぬようじゃな」
「よし、このまま清洲城を攻撃。皆の者、相手が少数といえども抜かるなよ!」