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信長の野望 天下創世 & 革新攻略サイト

第九章 囮作戦

「ここに城を造ろうと思う」小姓が畳の上に広げた地図を、勝頼は扇子で叩いた。

信茂「南に安房の久留米城、北に下野の結城城」

氏邦「敵のど真ん中ですな」

勝頼「二木重吉にやらせようかと思う」

氏邦「このようなところに城を構えるに当たっては、防備の兵もいりまするが、現状ではその余裕はござりませぬぞ」

信茂「左様、岩附城の北には上杉の軍勢が虎視眈々と我が領地を狙っておりまするし、西には徳川の軍勢が小田原を狙っておりまする。更に久留米城と結城城の両方から攻め込まれるは必定かと」

勝頼「重吉には囮になって貰う。城を築き守っている間に儂が安房の港より久留米城に打って出る」

信茂「なるほど、久留米城には2万の軍勢が駐留してござりまするが、それが重吉殿目がけて打って出るとなると守りの兵は三千程度になりまするな」

勝頼「肉を切らせて骨を断つじゃ」

「捨て石にござりまするか」氏邦は眉をしかめて思案顔になった。「恐らく久留米城からは一万五千の軍勢、結城城からも同程度の軍勢が重吉殿に襲いかかりまするぞ」

勝頼「重吉には存分に働いて貰う。功名を得る好機と心得よ」


城普請の命を受けた二木重吉は千の兵を引き連れて築城に当たった。勝頼の予想通り、両城から総勢三万の軍勢が重吉目がけて突っ込んできた。

氏邦「それ見たことか。敵が出てきおったわ」

氏邦は騎馬鉄砲隊を引き連れて重吉の救援に向かった。

「勝頼殿は港を出て久留米城に向かっておりまするが我らは如何致しましょうや」

氏邦「儂が軍勢を出したからには、上杉が岩附城を狙うであろうが、仁科盛信殿と小山田信茂殿に任せてある故おそらくは持ちこたえるだろう。儂らは重吉殿を援護しつつ敵の四隊を出来る限り引きつけて時間稼ぎじゃ!」

築城中の拠点は佐竹の四隊に呆気なく壊された。二木重吉の部隊千は四方から取り囲まれ、あっという間に壊滅した。