第六章 北条一門衆
「捕らえた北条一門の武将達はどうしておる」
「離れで監視下に置いておりまするが、一向に配下に加わる様子は見せませぬ」
「他の武将達は」
「やはり首を縦に振りませぬ」
「難しいのう。この8年の間に大熊朝秀が死に、逍遙軒殿も亡くなられた。内政に優れた武将を確保せねば天下統一どころか関東を押さえるのも困難じゃ」
「殿!下田港に立て籠もっていた北条の残党が徳川家康に成敗されましてござりまする!」
「おお、これで捕虜にした北条一門衆が我が家臣となってくれるであろう。さっそく使いを出して参れ」
「ハハッ!」
北条氏照「是非とも勝頼様の元で奉公いたしたく候!」
北条氏規「拙者も!北条の仇家康の首を取るため家臣にお加え願いたい!」
北条氏邦「私をお使い下され。必ずや戦でお役に立てましょうぞ」
勝頼「氏勝殿はどうした」
信茂「逃げ出して仕舞われました。忍びが見張っていたのですが…」
「まぁよいわ。お三方とも、是非ともこの勝頼にご助力いただきたい」
氏照「御意!」
氏規「承知!」
氏邦「勿体なきお言葉!」
北条幻庵「老いさらばえた身なれど、まだまだ役に立って見せまするぞ」
勝頼「おお幻庵殿、これまではいがみ合っておったが、過去のことは水に流して是非とも武田家の力になって貰いたい」