第二章 北条軍侵入
「さて、他にも農村をひとつ、武家町を3つ作ったぞ。政治力の低い武将がちょうど3名あまっとるし、湯治場でも作ってみるか」
小幡信貞「それはようござりまするな」
「おう、信貞ではないか」
「湯治場を作れば武将が合戦で傷を負ったときに回復が早くなりまするし、浪人達も骨休めにと長く逗留することでしょう」
「ではそちに任せたぞ!」
「ハハッ!」
「信貞は政治力が低い無骨な奴とはいえ、使える人材は徹底的に使わねばな。さて、後は工匠館と忍の里じゃな。工匠館を作れば戦火で灰になった街並みを修復してくれるじゃろうし、忍の里を作っておけば、敵の調略に引っかかりにくくなるだけでなく、捕虜にした武将の逃亡を防げて一石二鳥じゃ。特に我が家臣の心は無理な戦続きが祟って儂から離れておるそうじゃから、寝返りには充分気を遣わねばの。20人家来がおるというても、周りは強敵だらけじゃて。では皆の衆、頼んだぞ」
「ははーっ!」
それから数ヶ月後・・・
「とりあえず領地はほぼ開発し尽くした。もう開発できるところはないわ」
「殿!一大事にござりまする!」
「なんじゃ!」
「岩附城の北条氏照が躑躅ヶ崎館にに向けて進軍!」
「なんじゃと?今市を作っておる所じゃ!到着までどれくらいかかる」
「およそ40日かと」
「ならばその間に時間稼ぎが出来るな。内政に従事しているものはそのままにせよ。櫓はもう造ってあったな」
「ははっ!」
「それとな、家臣達に俸禄を与えるように。取り立てて取り柄がないとは言え数少ない大切な家臣達じゃ。裏切られたり引き抜かれたりしては武田の家も立ちゆかなくなるわ」
「仰せの通りに!」
「殿、敵が領内に侵入してきましたぞ。兵の数は総勢2万かと」
「やあ、やっと市作りが終わったわ。おおもう敵が目の前にいるではないか。こちらは1万4千か」
「殿、季節の変わり目になれば金銀兵糧が手に入りまするが、敵に城を攻撃されれば、収入は一切入ってきませんぞ。何としても敵に城を攻撃される前に、こちらから打って出ねば」
「よし、城の守りは仁科信盛に任せて、儂と信豊と信茂で騎馬隊を率いて出陣じゃ!」