第十八章 駿府攻め
「儂が御所を留守中に、里見義頼が狙っておったそうじゃの」
「追い返しましてござりまする」
「佐竹の軍勢も既に逃げ帰ったか」
「これもひとえに内藤昌豊殿のお働きによるものでござりまする」
「うむ、でかしたぞ、内藤」
「はっ!有り難き幸せ!」
「しかしこれでしばらくの間は戦線は膠着状態じゃの」
「如何なさりまするか」
「何がじゃ」
「駿府の今川氏真のことにござりまする」
「蹴鞠の殿様か」
「甲斐におる義信と飯富政景に攻めさせようかと思うておる」
「今駿府城は兵が一五〇〇しかおりませぬ。徳川家康が一揆勢を煽動したため、国内は荒れに荒れているとか」
「そのようじゃの。しかし義信が何と申すか」
「既に同盟は手切れとなっておりまする。ここは甲斐より義信様を総大将に駿河攻めの手筈を整えませ」
「あいわかった。軍監は飯富政景でよいな」
「御意に御座りまする」