第十一章 上杉政虎との邂逅
新発田城に迫った蘆名盛氏の部隊は、武田義信、飯富虎昌率いる騎馬隊の猛攻により壊滅状態に陥った。
一方、晴信が攻めた山形城は呆気なく落ち、上杉勢の諸将は皆散りじりになった。残る酒田港も攻めるに攻め、上杉の大方の武将を捕虜とした。晴信は捕虜を検分した。
「おお、政虎がおるではないか。どうじゃ政虎、儂の家来にならぬか」
「断る!お主の家来など死んでもご免じゃ!」
勘助「上杉殿はお屋形様のことを相当憎んでいるご様子に御座りまする」
「なあに、何か行き違いが合っての事よ。村上義清もおるのか」
勘助「ハッ、おりまする」
「どうじゃ、やはり儂の家来にはならぬか」
勘助「上杉殿同様、殿に深く恨みを抱いておりまする」
「仕方がないのう。暫く邸にて軟禁いたせ。無礼のないようにな」
「ハハッ!」
数日程してのち、上杉政虎、村上義清の両名は、警備の兵の目をかいくぐって、邸から脱走した。