第九章 慈悲の表裏
武田本隊は怒濤の如く北越後に侵入すると、宇佐美定満が守る新発田城を猛攻。城は呆気なく落ちた。
「上杉の諸将を捕らえましてござりまする。処断は如何致しましょうや」
「上杉の台所事情は厳しいようじゃのう」
「佐渡の金山銀山を我が方に奪われました故、かなり苦しいかと」
昌信「年に金一万の赤字でしたが、今は我が方に大勢の武将が捕らえられておりますので、三〇〇〇の赤字ですな」
「捕らえた者たちを離してやれ」
「良いのでござりまするか?」
「どうせ儂の家来にはならん。無傷で開放した方が儂の名声も上がるというものじゃ。さすれば民の心も掴みやすい」
「なるほど・・・」
「それに、家臣の俸禄が増えるからな、それだけ上杉は金に困るということになる。いずれ近いうちに山形城も攻めるゆえ、一度滅ぼせばすぐに儂の家来になってくれるであろう」
勘助「それはよい策に御座りまする。ではさっそく捕虜にした武将どもを開放するよう手筈を整えまする」
「頼んだぞ」
「ハハッ!」