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信長の野望 天下創世 & 革新攻略サイト

第三十二章 天下統一

「殿!鍋島家が我が領地に攻め込んで参りました!」

「さっそく来たか」

「鍋島家の当主、鍋島直茂は名将と聞き及んでおりまする」

「大丈夫じゃ。こんな事もあろうかと、我が方も対策を講じておる」

「鉄砲隊にござりまするな」

「そうじゃ。こないだ津軽家が我が家臣団に加わりたいと申してきての。津軽家は奥州の最北端に押さえ込まれておるから天下取りを諦めたのじゃろう。城内を家臣に検分させてみたのじゃが、以前の謀反の折にイスパニアから貰い受けた銃が一万発も残っておったわ。九州の各城に輸送しておいたぞ」


鍋島直茂率いる大軍が城に押し寄せるも、鉄砲の一斉射撃を浴び、壊滅状態。

「北九州の小倉城を出城にして、九州征伐の足がかりといたそう」

翌月、中国地方に拠点を置いていた真田の大軍は九州に雪崩れ込み、鍋島軍と再び対峙。

「鍋島直茂はなかなかの強敵。ですが鉄砲が残っておらぬようです」

「こないだの城攻めで使い果たしたようじゃの」

「こちらは真田幸村殿、井伊直政殿、福島正則殿、本多忠勝殿の騎馬鉄砲隊、それに細川幽齋殿、池田輝正殿の鉄砲隊が控えておりますれば、この戦、楽勝かと」

本多正信の予想通り、野戦はすぐに決着がついた。当主の鍋島直茂以下屈強の九州勢が応戦するも、真田軍の鉄砲隊の雨あられで、瞬く間に潰走状態となった。

「そぅれ、このまま城に攻め込むのじゃ!」


「これがかの有名な熊本城の天守閣か」

「大きゅうございますなあ」

「しかし城兵は僅か千二百、我が方はその十倍の一万三千じゃ」

「城攻めには守りの五倍の兵力を要すると言いますが、この兵力差ですと赤子の手を捻るようなもの」

「よし、一気に攻め立てよ!」

昌幸の号令の下、一万三千の真田軍は熊本城に雪崩れ込んだ。多勢に無勢、熊本城は呆気なく落城。


「名島城と秋月城も占拠して、鍋島の領土の補給線を絶ったぞ」

「当主の直茂は中津城に押し込められましたな」

「鍋島家を潰すのも時間の問題じゃ」

その後、島津と互角にやり合った鍋島家の勢力は急速に衰え、最後の城も落ちた。

「残るは島津のみですな」

九州に八つあった島津の城も、物量にものを言わせた真田の大軍が根こそぎ引き抜いていった。薩摩と大隅に追いつめられた島津家は、真田の軍門に下った。

天下統一・・・。関白真田昌幸は武家社会を解体し、貴族政治を再興させた。全国に京の雅な文化が咲き誇り、人々は久方ぶりに訪れた太平の世を謳歌した。

               (完)