第十四章 征夷大将軍就任
昌幸「さてと、四国攻めと毛利攻めの手筈を整えばならんの」
幸村「殿、朝廷より勅使が参って御座りまする。推察するに征夷大将軍の宣下かと思われまする」
昌幸「おお!遂に儂が征夷大将軍か!」
幸村「おめでとうござりまする」
一同「おめでとうござりまするー」
昌幸「儂もいよいよ天下人じゃのう。よし、勢いに乗じてこのまま毛利と長曽我部を攻め滅ぼそうぞ」
幸村「父上、それがしに大任をお言いつけ下され。将軍となったからには父上のお手を煩わすには及びませぬ。それがしが三軍を率いて四国・中国を平定して見せまする」
昌幸「よし、あいわかった!頼んだぞ幸村。そちには管領の役職を与える故存分に働くがよい。家康と秀吉、景勝、それに伊達政宗を連れて行け」
幸村「ハハーッ」
二条城に居を構えた昌幸は直接戦には参加せず、幸村はじめ優秀な家臣たちに軍の指揮を執らせた。30万の大軍を任された幸村は四国の城を次々と席巻。中国地方に侵攻した武田勝頼と共に、西へ西へと日に日に勢力を広げた。
「四国、中国ともほぼ真田家のものとなりました。毛利、長曽我部の残党は九州に逃げたるがよし」
「よし、そろそろ勧告の使者を送れ」
かつては一大勢力を誇った二大名は、相次いで真田家の軍門に降った。残るは九州の島津のみとなった。
「一気に攻めよ。力攻めでよい。兵も米もたんとある。存分に槍働きを上げよ。島津の城を蹴散らしていくがよい」
博多港、佐伯港、油津港の三方より九州攻めを行った幸村率いる真田軍は、島津方の城を物量にものを言わせて落としていった。
「残る城は5つ、港が3つに御座りまする」
「そろそろ勧告の使者じゃな」
昌幸は右手をおもむろに挙げ、使者に遣わす武将を一同の中より選んだ。
島津は真田の軍門に降った。真田昌幸は新しい幕府を開き、太平の世は250年余続いたという。
(了)