第十八章 京都上洛
およそ10万の軍勢が琵琶湖を北上に迂回し、京の手前で集結したところで一気に雪崩れ込んだ。武田の動きを察知し、大和郡山城より出陣した島津勢は大谷吉継を先鋒に総勢五万。
「来よったな。よし、儂と政宗、それに忠輝、盛信隊であの軍勢を川の手前で押しとどめる。攻城隊八〇〇〇の二名は家康と合流し二条城を包囲せよ。よいか、力攻めはならん。ジワジワと包囲して敵の戦力を削ぐのじゃ。さすれば城は簡単に落ちるゆえな」
「御意にござりまするな」
「よし、攻撃開始じゃ!」
次々と襲いかかる島津勢を勝頼の騎馬隊二万五千が猛攻な突撃を繰り返しなぎ倒していく。後方より伊達の騎馬鉄砲隊が援護射撃しつつ、上杉景勝の車がかりの陣が敵の兵力を根こそぎ取っていく間に、徳川麾下の攻城隊は二条城を完全に包囲、三万の守備兵の戦意を喪失させていた。
「どう、どう。何じゃあの軍勢は。打ち破っても次から次へと湧いてくる。まるで蟻のようじゃ。これ以上はこっちの兵が持たんわ!!」
「申し上げまする!本多忠勝隊壊滅!」
「忠勝はどうした!!」
「辛うじて戦場より離脱いたしました!」
「仁科盛信殿、鉄砲隊の射撃にあい負傷!」
「同じく土屋殿も負傷いたしました!」
「ううむ、さすがは鬼のしまんづと呼ばれ怖れられているだけのことはあるわ」
「敵方の遠方より進軍してくる旗は島津の大将にござりまするな。恐らく一万五千はおるでしょう」
「ええい!徳川からの伝令はまだか!」
「後一歩の所で包囲していた隊の一角が混乱し、落城ままなりませぬ!」
「政宗の鉄砲隊に城を攻撃させよ。我らの援護射撃は忠輝に任せればよい!」
「ハハッ!」
伊達の鉄砲射撃が功を奏し、守備兵は降参、二条城は落城した。