第二四章 風林火山
ある日、信玄は家臣達を躑躅ヶ崎館に呼び寄せた。
信玄「此度皆に集まって貰ったのは他でもない。我が武田軍の旗印の事じゃ」
原虎胤「旗印、に御座りまするか」
信玄「そうじゃ、これから我が武田軍は、天下統一に向け、一丸となって動いて貰わねばならぬ。そこでじゃ、皆の心を一つにするため、新しい旗印を作ることにした」
虎昌「して、どのような軍旗をお考えで」
信玄「懇意にしていた寺の和尚に頼んでの、孫子の一文を用いることにした」
政景「孫子」
信玄「その疾きこと風の如く、静かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如しじゃ」
昌信「風林火山、に御座りまするか」
信玄「そうじゃ、これよりこの風林火山を我が武田軍の軍旗と致す!」
一同「オオーーーーーーーッ!!」
風林火山の旗の下に、大軍勢を西へと推し進めた武田軍は京を占拠。念願の上洛を果たした。
京周辺に巣くっていた三好三人衆と松永久秀を追い払うと、将軍宣下の詔が朝廷より発布され、武田信玄は征夷大将軍に就任した。
その後も進撃の手を緩めることなく、四国方面、山陽方面、山陰方面の三方より、西国を一挙に手中に収め、九州征伐に乗り出し、天下統一を果たした。山本勘助の願い通り、武田信玄は天下を我がものとしたのである。